健康に役立つチーズの機能は、現代社会に生きる人間を救う
チーズは、風味豊かで愛好家も多い食品ですが、ヒトの健康を促進し、体調を整える機能も多く含んでいます。高齢社会となった現代の私達の健康に大いに役立つ、チーズの機能について見ていきましょう。
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●チーズに含まれるカルシウムは、ダイエットに効果がある!
内臓脂肪の蓄積によって、高血圧や糖尿病などいわゆる生活習慣病が複数起こっている状態を「メタボリックシンドローム」と言います。
この状態を放置していると、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因となる動脈硬化を進行させてしまうため、メタボの解消や予防は、現代人にとって重要な課題です。
アメリカ人でメタボリックシンドロームに該当する人の割合は非常に高く、成人の25%にも達します。この傾向は高齢者になるほど高く、60歳以上となるとメタボ人口割合は50%にもなり、アメリカにおける肥満対策の重要性が見えてきます。
日本では、厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」によると、「メタボもしくはメタボ予備軍」男性では50~59歳で54.4%、女性では50~59歳で19%などとなっており、やはり肥満の解消・ダイエットは、性別を問わず関心の高いキーワードとなっています。
=メタボもしくはメタボ予備軍の割合(20歳以上)=
【男性】
・20~29歳:5.9%
・30~39歳:28.4%
・40~49歳:44.5%
・50~59歳:54.4%
・60~69歳:62.8%
・70歳以上:64.2%
【女性】
・20~29歳:1.3%
・30~39歳:1.7%
・40~49歳:9.2%
・50~59歳:19.0%
・60~69歳:24.3%
・70歳以上:29.2%
チーズは脂肪分が多いため、肥満につながると思われがちですが、チーズに含まれる脂肪分には、揮発性脂肪酸や中鎖脂肪酸といった、消化の際に分解されやすいものが多く含まれているため、摂取しても肥満に繋がりにくいことが分かっています。
さらに、アメリカ・テネシー大学のゼメル教授は2004年、カルシウムにダイエット効果があることを研究で明らかにしました。
実際、肥満の人に様々な量のカルシウムを摂取してもらう実験を行ったところ、カルシウムを多く摂った人ほど腹囲の減少が認められました。
また、カルシウムはサプリメントで摂取するよりも、乳製品として摂る方が、ダイエット効果が大きくなることも明らかになりました。
この実験ではさらに、乳製品を幼児期に摂取していた人は、その後10年以上、18歳くらいになるまで体脂肪がつきにくい体を手に入れられることも明らかになっています。
これまで肥満の原因と思われがちであったチーズが、ダイエットに役立つ食品だということが証明されたわけです。
カルシウムの摂取とダイエット効果、メタボ予防との因果関係や仕組みについては、今後の研究を通じてさらに明らかになってくると思われますので、期待したいところです。
チーズの健康に役立つその他の機能については、以下をチェック!