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チーズの味や香りを決める熟成は、チーズづくりの最終・最重要ステップ

独特の風味と香りを持ち、老若男女を問わず愛好家の多いチーズですが、実はチーズは固めただけでは無味無臭です。熟成を経てコクのあるチーズとなります。今回のテーマは、チーズの熟成です。理科の勉強にもなります。
http://kosotatu.jp/チーズの熟成/

・チーズには旬があります。モッツァレラは出来たて。カマンベールは熟成から4~8週間。ゴーダチーズは、さっぱり味が好みなら熟成1ヶ月、コクのある味が好みなら熟成4~5ヶ月、超濃厚味なら1~2年。パルミジャーノ・レッジャーノは熟成すればするほど良いとされており、2年熟成、3年熟成、5年熟成などがあります。
パルミジャーノ・レッジャーノに関しては、熟成1年後の品質検査に合格しないと、パルミジャーノ・レッジャーノと認定されませんので(検査合格焼き印が押されないので)、1年未満のものは存在しません(存在していたらニセ物です)。
なお、これらは(旬があるのは)ナチュラルチーズで、加工食品であるプロセスチーズ(スライスチーズ、6Pチーズ etc.)には旬はありません。プロセスチーズは、いつ食べても同じ味です。

・チーズはある意味シンプルな食品です。原材料は、生乳と塩だけです。作り方もシンプルで、原料乳を乳酸菌で発酵させ、凝乳酵素で固めます。次に余分な水分を取り除き、型に詰め、塩分を加え、熟成させると完成です。近代化により、製造工程にも効率化が図られていますが、熟成だけは今だ昔のままで、人類が手出しできない神の領域です。

・チーズの味は、うま味、苦味、甘辛味などの複雑なバランスで構成されています。このうち、うま味成分を分析した結果、グルタミン酸であることが判明しました。広く知られている通り、グルタミン酸は昆布だしのうま味成分で、調味料である「味の素」の主成分です。和食のうま味成分とチーズのうま味成分が同じであることは意外な事実です。

・少し理科の話になります。チーズの味は、原料乳の主成分の1つタンパク質が分解されることによって生まれます。タンパク質は、三大栄養素の1つですが、化学的にはアミノ酸によって構成されている化合物です。チーズ(原料乳)のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類というのが分かっています。前述のグルタミン酸も20種類のうちの1つです。
従って、逆に考えると、「アミノ酸単体」か「20種類のうちのいくつかのアミノ酸が結合したもの」によって、チーズの味が作られていることになります。アミノ酸は、単体でも味を所有していますが、結合すると別の味に変化します。不思議なことに、苦味のアミノ酸同士が結合したとしても、苦くなるとは限りません。苦味系のアミノ酸を結合させて、砂糖の200倍の甘さの人口甘味料が作られているほどです。
アミノ酸の組み合わせ方で無数の味が生成されるため、様々な味のチーズが存在しているのです。チーズの味を科学的に解明するには(解明して調味料などに応用するには)、アミノ酸の結合の法則を解明することにほぼ等しいと言えます。現時点では、まだ解明はされていません。

・今度は少し社会の話になります。前述の通り、フレッシュチーズやプロセスチーズなどの一部を除くと、チーズは熟成に結構な期間を必要とします。言うまでもなく、人件費や設備投資費など熟成期間中のコストは莫大になります。
従って、経済的発展が進んでいない国で生産するのは、難しい現状があります。実際、生産量、輸出量の上位は、一部の経済的に豊かな国が占めています。
センター試験などでの選択問題で、チーズ輸出国ランキングの表が一部空白で出てきて、該当しない国(もしくは該当する国)を選択せよというのをたまに見かけますが、上記の事情を把握していればイージーな問題と言えます。

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